【マラソン】ランナー必見!持久系能力の1つ「Vo2max」とは!?

持久系能力とは何か!?
「持久系能力」と聞いても、ぼんやりしすぎていて分かりづらい!と思う方が多いと思います。一言で言うと、「ある一定のスピードでどれだけの距離を進む事が出来るか」の能力のことです。

競技によって特性は異なりますが、一般的には一瞬の力の発揮ではなく、持続した力を発揮し続ける必要のある競技は、「持久系競技」と呼ばれています。主な競技としてフルマラソンやトライアスロンがあります。

持久系競技に必要な能力を持久系能力と言い、能力を決定づける要素が3つあります。

持久系能力を決定づける3要素

持久系能力を決定づける3要素とは「Vo2max」「AT」「ランニングエコノミー」です。
そしてこれらの3要素は数値化する事ができます。

Vo2max(最大酸素摂取量):どれだけ酸素を取り込むことができるか

AT(無酸素性作業閾値):どれだけ糖を使わず走れるか

ランニングエコノミー:どれだけ楽に走れるか

上記の3要素で持久系能力は構成されています。そして重要なのは、この3つの要素は同時に向上させる事が難しく、それぞれ目的に合わせてトレーニングを行う必要があります。

今回は、Vo2maxについて詳しく説明していきます。

Vo2max(最大酸素摂取量)

1分間にどれだけ酸素を取り込む事が出来るかの指標として用いられます。ご存じの方も多いと思いますが、Vo2maxは持久的パフォーマンスの高さと関係していると考えられています。単位はml/kg/分(min)で、1分間に体重1kgあたりどれだけ酸素を摂取できるかを表します。Vo2は運動強度の増加によって直線的に増加し、その最大値をVo2maxといいます。

酸素は呼吸によって大気から取り込み、肺胞で血液に拡散することによって体内に取り込まれます。その後、酸素は心臓をはじめとした循環器によって血液を介して組織まで運搬され、利用されます。ここで1つ覚えておきたいのは、持久系競技=有酸素運動であるという事です。持久系競技では、酸素をエネルギーとして利用することで、身体を動かす事ができます。

Vo2maxは,以下の3つの項目によって制限される(変化する)といわれています。(Hill et al. 1924, Davit et al. 2000)

①肺胞での拡散能力
②心拍出量などの酸素運搬能力
③末梢組織での酸素利用能力

①肺胞での拡散能力

先ほども述べた通り、酸素は呼吸によって大気から取り込まれ、肺胞で血液に拡散することで体内に取り込まれます。よって重要となるのは酸素を肺に取り込む能力や酸素を血液に飽和させる能力です。そこで使われる指標は「換気量」といい、どれだけの量、空気を吸ったり吐いたりできるかということを表します。一部のエリートランナーでは、換気量が低いと十分な酸素が取り込めなくなり、肺胞の酸素分圧が低くなることで、血液に酸素を拡散することが出来なくなることが報告されています。

②心拍出量などの酸素運搬能力

酸素を含んだ血液を身体中に送り出す役割を果たすのは心臓で、どれだけ血液を組織に送れるかは「心拍出量」で表されます。心拍出量は、1回あたりの拍出量×最大心拍数で算出されます。よって最大心拍数が高ければ、血液をより多くの回数、酸素を身体に運搬する事ができます。よって最大心拍数が高くないとパフォーマンスが低いという事にはならず、個々の特性によって変わります。

また「酸素運搬能力」はヘモグロビン量や毛細血管の拡張度が関係しています。血液検査でヘモグロビン量が検査項目で見られますが、ヘモグロビンは赤血球の大部分を占めている成分で、ヘム鉄分が酸素と結びつき抹消組織に酸素を運搬します。ヘモグロビン濃度を調べる事で貧血かどうかを調べる事が出来ます。

よく「貧血で走れない」という現象がありますが、これは血中の酸素を運搬するヘモグロビン量が少ないため、酸素を運搬できない状況に陥りすぐに疲れるという症状を引き起こすためです。

また、毛細血管は太さに幅があり、細いと赤血球がすり抜けられる数が限定されます。よって、より多くの赤血球を通す=より多くの酸素を運搬できるという事になります。

毛細血管を拡張させるためのトレーニングが必要になるのはこのためです。

③末梢組織での酸素利用能力

「酸素利用能力」は組織でのミトコンドリア量が関係しています。ミトコンドリアは筋細胞内に存在しており、運動する事で、筋細胞はエネルギー(別の分野になるので本記事では割愛します)を消費して筋肉を動かします。そのエネルギーを生成するのがミトコンドリアです。

トレーニングにより、筋肉量が増える事でミトコンドリアの増加やミトコンドリアの体積の増加に繋がります。ミトコンドリアの体積の増加には有酸素運動が好ましいですが、1ヶ月間有酸素運動を行わないと元のミトコンドリアの体積に戻ると言われており、

「継続したトレーニングを行わなければ持久系能力が低くなる」という現象を起こす1つの要因でもあります。

Vo2maxを高める事でパフォーマンスは向上する

いくつもの論文で示されていますが、Vo2maxの数値が大きくなればなるほど、能力が高いとされています。
マラソンなど持久系競技のトップアスリートは、Vo2maxが72〜80ml/kg/minほどに及びます。

一般人の平均は
男性:40〜45ml/kg/min
女性:35〜40ml/kg/min

ランナーの平均は
50〜70ml/kg/min

と言われています。
より多くの酸素を取り込むということは、運搬して活用し続けなければなりません。4要素のどれか1つに課題がある場合、摂取→運搬→活用のサイクルが回らなくなり、いわゆる酸素を取り込めなくなる作用が働く事になります。

Vo2maxの向上に必要な事とは

インターバルトレーニング以上の高負荷トレーニングが必要となります。
ここでトレーニング種別の説明です。

最大心拍数から算出した運動強度%(トレーニング実施時の心拍数÷最大心拍数)と、本数や持続時間によってトレーニングは種別されます。

トレーニング名:レペティショントレーニング

運動強度:約95%以上
目的:Vo2max向上・スピード向上・筋出力強化・神経系強化
トレーニング例:400m×5 R=2’

トレーニング名:インターバルトレーニング

運動強度:約85%〜95%
目的:Vo2max向上・スピード強化(割合高)・スピード持久力強化(割合中)
トレーニング例:400m×10 R=1’

トレーニング名:ペース走

運動強度:約70%〜85%
目的:AT値向上・スピード持久力強化
トレーニング例:8000m

トレーニング名:距離走・ロングラン

運動強度:約60%〜70%
目的:脚筋力強化
トレーニング例:20km

トレーニング名:JOG

運動強度:約50%〜60%
目的:有酸素能力向上・毛細血管の拡張
トレーニング例:30分JOG|60分JOG etc

上記のような区分けとなります。

海外でメジャーなトレーニングである「ファルトレクトレーニング」や「テンポラン」などは運動強度や設定によって目的が異なってくるので、今回は割愛します。

Vo2max向上に必要なトレーニングとしては上記にあるように、

レペティショントレーニング
インターバルトレーニング

となります。

この2つのトレーニングの違いは、運動強度による休息期です。レペティショントレーニングは高負荷の中でもほぼ最大負荷となるため、休息期(レスト)が長めに設定してあります。インターバルトレーニングは高負荷ではありますが、少しゆとりをもてるため、休息期が短いです。

休息期の違いによって、心拍数の減少幅が異なり、レペティショントレーニングでは、1本ごとに心拍数をできるだけ上昇させた後に休息期で落としてから次本に臨むに対し、インターバルトレーニングでは、休息期で心拍数を減少させきらずに次本に臨みます。

持久系能力の向上はVo2maxだけではない!?

ここまでVo2maxについて解説してきましたが、前述のように持久系能力向上にはいくつか要素があります。
よって、Vo2maxを向上させるだけで持久系能力が向上するかというと、答えは否です。

ここで1つの論文事例をご紹介します。
フルマラソンの記録別で行われた実験があります。

「Applied Physiology Of Marathon Running」(March 1985)ではフルマラソンの記録を

2時間30分以内(12名の平均:2時間21分)
2時間30分〜3時間以内(16名の平均:2時間37分)
3時間以上(7名の平均:3時間24分)

上記の3つに分けて、能力テストを行いました。

その結果

2時間30分以内
→Vo2max:70ml/kg/min以上

2時間30分〜3時間以内
→Vo2max:60ml/kg/min以上

3時間以上
→Vo2max:50〜55ml/kg/min以上

が目安となっています。実験結果からの考察は

1.Vo2maxの数値はフルマラソンの記録に相関があるという事
2.能力が高ければ高いほど、Vo2max以外の要因が関係してくる事

注目すべきは2です。2時間30分以内のランナーはVo2maxが70ml/kg/min以上は必要だが、それ以外の要因も必要という事が示されています。

トップアスリートが日々の激しいトレーニングを行う中で、Vo2maxの上昇率は減少します。そうなった時に、向上させる要素は他にもあるという事です。

これは、トップアスリート以外にも共通しています。

「伸び代」として、Vo2maxは1つの指標となりますが、それ以外の要因も向上させる事で能力が向上するため、それらについては次回解説する事とします。

Vo2maxを計測する3つの方法

1.呼気ガス分析装置を用いて計測する方法

研究機関や大学施設・民間施設で機器を用いて計測する方法
最新の機器を使用している施設は、東京都内では目黒駅徒歩5分の立地にある「RDC GYM 目黒」です。

RDC GYMでは、Vo2maxだけではなくAT・ランニングエコノミーなど持久系能力の項目が全て計測できるとともに、フルマラソン予測タイムや今後のトレーニング指標まで算出されます。

RDC GYMはこちらから

2.間接法による計測

上記1は、直接法と呼ばれる呼気ガス分析装置を用いて計測する方法。間接法は12分間走や20mシャトルランなどによる計測。

0.021×12分間走の走行距離×-6.61
こちらは正確性に欠けるのであまりオススメはできませんので、参考程度としましょう。

3.ランニングウォッチによる計測

近年では広く普及している心拍計測機能付きランニングウォッチ。年齢・性別・身長・体重・最大心拍数・ワークアウトデータなどを記録する事ができ、日々の日常やトレーニング時の心拍数をモニタリングする事でVo2maxの計測を行います。

ランニングウォッチでシェアNO.1のガーミン社のランニングウォッチFore Athleteシリーズでも計測可能なモデルがあり、精度も高いためオススメです。

また、間接法の計測内容の実施や、高強度トレーニングを実施することで更に精度を高められます。

GARMIN Fore Athleteシリーズはこちらから

まとめ

いかがでしたでしょうか?持久系能力向上にはいくつか要因がありますが、Vo2maxは指標として非常に重要なので、能力向上のためにトレーニングを実践する事と、まずは一度ご自身のVo2maxを知る事から始めてみませんか?!

ABOUTこの記事をかいた人

OFFICE YAGI Inc. CEO|全国展開するランクラブ「RDC RUN CLUB」|銀座・目黒の低酸素ジム「RDC GYM」|ケニア共和国・イテンで世界一を目指すランニングチーム「RDC KENYA」|パーソナルジム「KARIV GYM」 日本のみならず世界でウェルネス・ランニング事業を行う。