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COLUMN
コラム

2021/09/24

効率の良い走り!マラソンで重要な「ランニングエコノミー」とは!?

これまでのコラムでは持久系能力の「Vo2max」「AT」をそれぞれ説明してきました。

【マラソン】ランナー必見!持久系能力の1つである「Vowmax」とは!?

持久系能力の1つである「AT」を把握することでマラソンの適正ペースが決まる!

今回は最後の一つであるランニングエコノミー(Running Economy)について説明します。

効率の良い走り!!「ランニングエコノミー」とは!?

ランニングエコノミー。最近よく聞く言葉ですが、どういう意味か理解できていない人が多いのではないでしょうか。簡単に言うと「ある速度帯をいかに少ないエネルギー(酸素摂取量)で走ることができるか」という指標の事です。ATの記事でも説明した通り、体を動かすにはエネルギーが必要です。そのエネルギーは有限であるので、より速く、より長く走るためには効率よくエネルギーを使うことが重要です。

ランニングエコノミーとパフォーマンスの関係は!?

これまでのコラムで解説しているように、Vo2maxやAT値を高めることで、マラソンのパフォーマンスは向上します。このランニングエコノミーも高めることで、パフォーマンスが上がるといわれています。

実は、日本人とケニア人の違いとして、このランニングエコノミーが良く挙げられます(図参照)。同じVo2maxを持っていたとしてもランニングエコノミーの違いによってパフォーマンスは変わってくるのです。

どうやって評価するのか!?

ランニングエコノミーの数値はある速度で走った時の酸素摂取量の大小で評価されます。

ある速度帯の酸素摂取量が、

低い場合 → GOOD(効率が良い)
高い場合 → POOR(効率が悪い)

となります。

よって上記2つの図からするとCのランナーとケニア人の方が、ランニングエコノミーが高く、効率のいい走りができていることになります。

ランニングエコノミーは何によって決まるのか!?

ランニングエコノミーは様々な要因によって変化するといわれています。

①バイオメカニクス的要因

ランニングフォームのことで、この要因によって50パーセント以上のランニングエコノミーの個人差が説明できると言われています。

どのようなランニングフォームが適切かについては、重心の上下動が少ないこと、地面に着いてから離れるまでに足関節(足首)の角度が変化しないこと、股関節の伸展屈曲が大きいこと、腕の振りが進行方向に対して適切に振れていること等が挙げられます。

②生理学的要因

主に代謝能力のことです。エネルギーを生産する際に、効率よく体内への酸素の受け渡しや運搬、利用ができているか等が挙げられます。

③解剖学的要因

ここでは体型や筋力などフィジカル関連のことを示します。体型としては手足の末端部分が細いこと、また筋力としては股関節を屈曲させる(足を上げる)筋肉である大腰筋やハムストリングスが発達していることが挙げられます。

④外的要因

風や気温、天候などの気象条件や走路(硬度と弾力性の違いによって)、加えてシューズ(最近話題の厚底シューズなど)もランニングエコノミーに関係するといわれています。

⑤心理的要因

ネガティブな心理状態を解消することや、ポジティブな心理状態にすることでランニングエコノミーが高まることが報告されています。

このように様々な要因が複雑に関連しあって、ランニングエコノミーは決定されます。

ランニングエコノミーとVo2maxの関係について

ここで持久系能力である「Vo2max」と「ランニングエコノミー」の変化の関係について説明していきます。

パフォーマンスを向上させるための効果的なトレーニング戦略(丹治、2017)

トレーニングなどによって、パフォーマンスを向上させようとする時、Vo2maxとランニングエコノミーは主に以下の変化をすると考えられています。

①Vo2maxが向上した時、ランニングエコノミーは低下する。
②ランニングエコノミーが向上した時、Vo2maxは低下する。

という逆相関の変化です。

つまり、どちらかの能力を向上させるともう片方は低下してしまうということです。

よってパフォーマンス向上には、図のようにVo2maxを向上させる段階やランニングエコノミーを向上させる段階を見極めてトレーニングを行うことでより効果的なトレーニングを行うことが可能だと考えられています。
その為には定期的に持久系能力を測定し、自身の能力を把握しておくことは非常に重要です。

また、ここで重要になってくるのが、いかにもう一つの能力を維持・もしくは低下を抑制させながらトレーニングができるかです。

トレーニング時はランニングエコノミーを向上させるトレーニングを行うことで

①Vo2maxを向上させる段階ではランニングエコノミーの維持または低下を抑制
②ランニングエコノミーを向上させる段階では、ランニングエコノミーのより良い向上

がされると考えられています。

ランニングエコノミーを高めるトレーニングとは!?

ランニングエコノミー向上に効果的だといわれているトレーニングは

①持久的トレーニング
②筋力トレーニング
③プライオメトリクストレーニング
④低酸素トレーニング
⑤筋の柔軟性、関節の可動域の向上
⑥ランニングフォームの改善

などが挙げられます。

しかし、どのようなトレーニングを行えばいいか分かりづらいですよね。

例えばプライオメトリクストレーニングというとジャンプ系のトレーニングになるのですが、トレーニングをどれくらいの方法・回数・頻度が適切なのか判断することは難しいです。

これらは、各アプローチの専門家に指導を仰ぐことが適切です。何故なら、主観では非常に分かりづらいからです。

ランニングフォームの改善においては、ランニングコーチなどランニングの専門家や身体の仕組み・トレーニング法を理解しているトレーナーに指導してもらい実践することで、ランニングエコノミーを向上にアプローチできます。

また、ランのトレーニングについてはランニングチームの練習会や自身で走る。筋力トレーニングについてはスポーツジムなど適切な器具や動きができる場所で実施する。低酸素トレーニングは低酸素ジムで実施するなど、それぞれの効果的なトレーニングを実施するにあたり、目的に合わせて活用する必要があります。

東京都内の施設では、低酸素ジム「RDC GYM」が上記6つの全ての項目に対するアプローチが可能です。
また、フィジカルテストも行っているため、身体機能を数値化することで、よりトレーニングのアプローチ法が明確になり、目的目標や現状の課題が明確になります。

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また、ランニングエコノミーを決定づける1つとして「バイオメカニクス的要因」が挙げられましたが、ランニングウォッチの機能で把握することが可能です。
上下動・ピッチ・ストライド・左右差など多くの項目がランニング実施中に計測し、管理することが出来ます。

ガーミンのForeAthleteでは、モデルによってランニングダイナミクス含む様々な計測可能項目が異なります。「ランニングダイナミクス」計測機能付のモデルでは、腰部にランニングダイナミクスポッドというクリップ型のものを装着することで、手頃に上記項目が数値化されるためオススメです。

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まとめ 

今回は持久系能力の最後の一つ「ランニングエコノミー」について説明しましたが如何だったでしょうか?単に走るトレーニングだけではなく、フィジカルトレーニングやランニングフォームの改善を行うことで、ランニングエコノミーが向上し、パフォーマンスが向上します。今後はトレーニングをする際に適切なトレーニングを選択することで、より効果的なトレーニングをすることが可能になるので、ぜひ参考にしてください。