心拍数とゾーンによるトレーニング種別について

今回はランニングコーチであり現役ランナーの谷星輝さんのコラム第2弾!
今回は、GARMINをご使用の方は誰もが目にするであろう「ゾーン1〜5」。これは心拍数が関係していますが、果たしてどれだけの方がこの値を理解できているでしょうか?
今回は谷さんが分かりやすく解説しています!

心拍数とゾーンについて

こんにちは!アスリートエージェントの谷です。

実は私、普段からGARMIN RUN CLUBでGARMINの使い方講座を開いたりもしています。そこで初心者向けに必ずお伝えしているのが最大心拍の設定です。

ランニングデータの心拍ゾーンって見ていますか?赤とか青とか緑とか、色がついているアレです。ゾーンは1~5まであって、ざっくり言うと数字が大きいほど心拍数が高い状態です。

心拍ゾーンを見ていて「本当にあってるのかな?」と思ったことはありませんか?「自分では全力で追い込んだつもりなのにずっとゾーン2だった」とか、「まだ余裕があるはずなのにゾーン5になってる」とか、感覚と合わないこともあるかと思います。

そもそも心拍ゾーンはどのように決まっているのでしょうか?

ワークアウトの心拍ゾーンデータ

GARMINでは心拍ゾーンは最大心拍数から算出されます。(※予備心拍数を計算に含める設定もありますが、ここではデフォルトの最大心拍数のみからの算出で話を進めます。)

基本は最大心拍数の90%以上がゾーン5、80%~90%がゾーン4というような形で決められています。このパーセンテージもカスタムできますが、とにかく最大心拍数からの割合でゾーンが決まります。そしてこの最大心拍数というのが初期設定では(220-年齢)で自動設定されています。しかしこの最大心拍数はかなり個人差が大きい値です。なので例えば、最大心拍数が170bpmで20歳の人が設定を変えていないと、本当はゾーン5なのにゾーン3と表示されるということが起こってしまいます。これでは赤の他人の練習効果を見ているようなもので全然意味がないですよね…。

それでは自分の最大心拍数はどうやったら分かるのでしょうか?

正確な数字を知ろうと思ったらトレッドミルで専用の装置を使ってオールアウトするまで走って計測するという方法もあります。とはいえ誰でも簡単にできるものではありませんので、基本的には今まで走った中で一番高い心拍数と思っていただいて問題ありません。一般的には800m~1600mを全力で走ると最大心拍数に到達しやすいと言われています。

マラソンの自己ベストと同じように自分の最大心拍数を覚えておくと良いでしょう。

それでは最大心拍数を正しく設定できたら心拍ゾーンで何が分かるのでしょうか?

「もうちょっと頑張りが足りなかったな」とか「今日はしっかり追い込めた」などという指標にするのも良いでしょう。ですがそれ以上に重要なのは練習計画の段階です。

この日の練習はゾーン3をターゲットにしようとか、今日はゾーン5まで到達できるようにしようと事前に決めておいて、実際どのくらいできたのかを確かめます。

ここでやってしまいがちなのがゾーンは高いほど良い練習だと思って、何でもかんでも追い込みすぎてしまうことです。それぞれのゾーンにはそれぞれの狙いがあります。例えば、脂肪を消費して運動をするにはゾーン4~5よりもゾーン1~2の方が効果的ですし、マラソンの記録向上に重要とされるLT値の強化にはゾーン4でのトレーニングが適しています。

そして日本を代表するようなマラソンランナーであってもゾーン5の練習が一番多いという選手はいません。レベルや時期にもよりますが、ゾーン4~5の練習は一般的に週2回程度の実施ができると良いでしょう。

有酸素能力向上のためゾーン3を狙った練習

私が学生の頃はこのような心拍ゾーンを測定できるモデルを持っていなかったので、月間の走行距離をペース毎に区分けして紙に書いて計算していました。

当時は、速い:中速:遅い = 1:3:6くらいになるようにメニューを作成していました。

いずれにしても1つ1つのメニューに対して、何が目的なのかを定めて、事前に決めた強度でトレーニングを行うというのがマラソン練習のセオリーです。

GARMINはその目的に即した練習ができたのかを確かめるための強力なアイテムなのです。

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