GARMIN Forerunner 255 の使用レビュー

今回は、GARMIN Forerunner 255についての使用レビューをランニングコーチであり、現役ランナーの谷星輝さんに行っていただきました。
現在、下二桁が45シリーズや35シリーズの旧モデルをご使用の方は、新モデルである255(現在265も発売中)の特徴や、過去モデルとの違いなどご参考の上、これからのマラソンシーズンに向けて買い替えも検討していただければと思います!

使用レビュー

こんにちは!アスリートエージェントの谷です。

今回は私が愛用しているGARMIN Forerunner 255(以降255と表記)について紹介していきたいと思います。

Forerunner 245の後続モデルとして2022年の6月に発売されました。

245からアップデートされた内容としてはSuicaの対応やモーニングレポート機能などがありますが、マラソンのタイムを狙う上で最も大きいのはGPS精度の向上でしょう。

255ではマルチバントGNSSが搭載されました。いきなり難しい単語が出てきましたね。簡単に言うと、GPSみたいな位置情報の機能を複数同時に使って、より正確にしているものです。つまり距離がすごく正確になりました!!

特に以前のモデルでは開けた場所でないとGPSが狂うなんてことはよくありましたが、255のGPS精度はちょっと驚異的です。

以下の写真は実際に東京の代々木公園で走ったデータですが、上が255で下が以前に使用していた230Jモデルです。下の230Jは周回を重ねるごとに線がズレていますが、上の255はほぼ1本の線に重なっています。

 

(代々木公園でのランニングデータ 上:255、下:230J)

例えば1kmで10mの誤差が生じるとすると、キロ5分で走っていたなら1キロ当たり3秒の差になります。真剣にタイムを目指している人であれば、この重みはよく分かることでしょう。一生懸命走ったペース走が本当はキロ3秒も遅かったなどとなっては練習結果が全く変わってしまいます。

さらに練習だけでなく大会でも、特にロードレースなどにおいてはこの誤差が大きな影響を生みます。大会のコースに設置されている距離表示とGARMINが段々とズレてくる、なんてことはありませんか?走っている最中に「あれ、目標より少し遅いな」と思ってペースアップしたら実はオーバーペースだったなんていうのは、よくある失速要因ではないでしょうか。マルチバントGNSSが搭載された255では、この誤差がごくわずかに収まるようになりました。

またもう一つ精度が上がったものがあります。それは光学式心拍計です。245では4つだったセンサーが6つに増え、運動中の心拍数をより正確に測ることができるようになりました。

ここで一つ質問です!インターバルトレーニングを行う際に、タイム計測はどのようにしておりますでしょうか?

1本走るごとに止めて、保存して、次の本数を走るときに新たにスタートなんてしていませんか?

インターバルトレーニングの際はラップ機能を使いましょう。1本目のスタート時はスタートボタン(右上)、それ以降は1本目ゴールも2本目スタートもすべてラップボタン(右下)、ラスト1本のゴールのみまたスタートボタン(右上)です。

これで計測するとインターバルトレーニング全部が1つのデータに収められる上、リカバリーのタイムも計測できます。

次の写真は800m×8本のインターバルトレーニングを行った際のデータです。グレーの部分がラップペースで、赤い折れ線が心拍数を表しています。

800m×8本/グレーがラップペース、赤が心拍数

インターバルトレーニングでは上の写真のように一本ごとに心拍数の波ができます。疾走区間の心拍数が最大心拍数の85%以上になっていると理想的です。さらに本数を重ねるごとに少しずつ波が高くなるくらいだとベストな設定だと言えます。また後半に心拍数の波の振れ幅が小さくなっている場合は回復が間に合っていないか、もしくは途中でペースダウンしてしまっていることが考えられます。

また休息期間の心拍数も重要で、完全に回復し切ってしまう前に2本目をスタートします。上の写真では前半はしっかりと回復していますが、5本目あたりから回復が間に合わなくなってきているのが分かります。

このように255では新しい画期的な機能というよりは、計測精度の圧倒的向上がポイントです。少しでもマラソンのタイム向上を目指すようなシリアスランナーにはぜひ使ってほしい必須アイテムです。

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