「練習は続けているのに思うように結果がついてこない・・・。」ランナーなら一度は通る悩みですよね。
実はそれ、トレーニングを効率的に行えていないのが原因かもしれません。マラソンのトレーニングを含むすべてのトレーニングには、3原理5原則の「トレーニングの原則」が存在し、これを意識することで、効率良く競技力を向上させることができると考えられているのです。今回は、3原理5原則の中から、特にマラソントレーニングに重要となる2原理3原則を抜粋してご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
トレーニングの原理
過負荷の原理(オーバーロードの原理)
トレーニングの効果を得るためには、身体に現状の能力以上の刺激(過負荷)を与える必要があるという原理です。そうすることで、その負荷に耐えられるように身体の能力が向上するのです。一方で、いつまでも同じ負荷のトレーニングばかり続けていると、身体がその刺激に慣れてしまい、次第にトレーニングの効果は現れにくくなっていきます。競技力向上のためには、キツい(過負荷な)練習もこなす必要があるのです。
特異性の原理
トレーニングによって得られる効果は、トレーニングの種類によって変わるという原理です。例えば、競輪選手は立派な太ももを持っていますよね。あれは、自転車を速く漕ぐためのトレーニングをこなしているからです。アームレスリングの選手が太い腕を持っているのも同じ理由です。競技力を向上させるためには、身体のどこをどのように鍛えるべきか、目的に応じたトレーニングの選定が大切です。
これら原理を知った上で、実際にトレーニングを行う際に覚えておきたいのがトレーニングの原則です。
トレーニングの原則
全面性の原則
様々なトレーニングを行い「筋力」「筋持久力」「スタミナ」など、体力を規定する要素をバランスよく鍛えましょうという原則です。走るという行為は、全身運動です。腕や脚など特定の部位を集中的に鍛えたとしても、全身のバランスがくずれ、フォームの悪化や怪我、競技力の低下につながる恐れがあります。まずは、全身をバランスよく鍛え、その上で必要となる部位のトレーニングに励みましょう。
意識性・自覚性の原則
鍛えている部位を意識するだけでもトレーニング効果は向上します。ただ漠然とメニューをこなすのではなく、トレーニングの目的(鍛えたい能力や身体のパーツ)を自覚しつつ積極的に取り組みましょう。
漸進性の原則
負荷の変わらないトレーニングを続けていると、身体がその負荷に慣れてしまうためトレーニング効率がだんだん悪くなっていきます。トレーニング効率を保つためには、体力がある一定の水準に達したら負荷を上げることを繰り返す必要があるのです。競技力の向上に合わせて、トレーニングの量や質を段階的に上げていくことを漸進性の原則といい、マラソントレーニングであれば、定期的に設定タイムを上げたり、インターバルの本数を増やすなどの対応が必要となります。
まとめ
いかがでしたか?今回ご紹介したトレーニングの原理・原則を意識するだけでも、効率的にトレーニングを行うことができます。
また、「トレーニングの原理・原則」を意識できるようになったら次のステップとしておすすめしたいのが「PDCAサイクル」の活用です。「PDCAサイクル」と聞くとビジネスシーンを思い浮かべる方が多いと思いますが、マラソントレーニングにおいても、課題の発見や競技力の向上にもつなげることができる考え方なのです。詳しい内容は、次の記事を参考にしてみてくださいね。
【サブ3】「PDCAサイクル」がマラソン練習を変える!その実践法を解説