GARMINの「血中酸素トラッキング」機能を活用する!

2021年4月下旬、ガーミンのランニングウォッチの対象機種がソフトウェアのアップデートにより「血中酸素トラッキング」が可能になりました。

対象機種
ForeAthlete 945/745/245
Fenix 6
Fenix 5X Plus
Enduro
Instinct Dual Power

血中酸素トラッキングとは!?

血中酸素とは、文字通り身体の中の血液中に含まれる酸素量の事です。これまでパルスオキシメーターという機器を用いて動脈血酸素飽和度(SpO2)を医療用として計ることはありました。目的として、呼吸器の疾患や体調が悪化した際、健康状態を客観的に判断する指標して用いられていました。

しかし今回のガーミンの機能は医療用ではなく、あくまで体調管理の1つのツールとして機能が搭載されました。

血中酸素の値は、100%を上限とし活動量が増え酸素を消費したり疲労状態が続くことで数値が下がります。一般的には、日常生活の中で96%以上だと正常値、95%以下コンディションが低下していると考えられます。ガーミンの機能を活用した日常生活におけるライフログとして、睡眠の質やストレス指数とともに疲労状態などのコンディションチェックに役立ちます。

血中酸素とランニング

また、ランニングのような酸素を消費する活動では、強度が上がるにつれて酸素消費量が多くなるため血中酸素の値が下がります。光を照射して血液に当てて計測するため、高強度のトレーニング中に正確な値を計測することは難しいですが、90%以下になることもあります。このような高強度のトレーニングを実施した場合には、疲労状態が継続し血中酸素の値も低いまま推移します。

また、高地トレーニングなど標高の高い場所に行くと空気中の酸素量が少なくなるため、呼吸による酸素摂取量も少なくなり血中酸素の値は低くなります。個体差はありますが、標高2000m〜2400mだと日常で92%ほどになることもあります。高地トレーニングの場合、身体の高地順応を表す指標にもなります。ちなみにガーミンのランニングウォッチには高地順応の指数を計測する機能もあるため、トレイルランやトレーニングで高地に行く際には、高地順応と血中酸素トラッキングの両方の値をみて状態を把握することもできます。

近年注目されている、高地トレーニングを平地で行えるようにしたものが、低酸素トレーニングです。

低酸素トレーニングについての説明は今回は割愛しますが、血液中の酸素量が少なくなることは決して悪いわけではなく、持久系能力向上のトレーニングの指標として非常に有効です。

あくまで血中酸素トラッキングは目的に合わせて数値を読み解く必要があります。

血中酸素トラッキング数値のおおよその目的別目安

高強度トレーニング:85〜90(低酸素環境下:80〜85)
中強度トレーニング:88〜93(低酸素環境下:83〜88)
低強度トレーニング:91〜96(低酸素環境下:86〜91)
健康管理:96〜99

上記のように、血中酸素トラッキングの数値が運動強度や健康管理の目安として活用できるため、競技パフォーマンス向上から体調管理・コンディショニングチェックのライフログまで幅広く活用できます。

ガーミンで血中酸素トラッキング機能を使いこなす!

  1. デバイスの通常画面にて左下ボタンを何回か押していくと「血中酸素」という項目があります。ライフログとして残したい場合は血中酸素モードで終日を選択しましょう。他にも睡眠中のみ計測することも可能です。
  2. 次に先の血中酸素の画面にて「測定中」「安静に」という文字が表れ計測を開始します。所要時間は15秒から20秒ほどです。
  3. ガーミンコネクトでも確認できます。

 

いかがでしたか?

ガーミンの血中酸素トラッキング機能を活用することで、日常のコンディショニングチェックや、自身のトレーニングにおける身体の疲労状態などをより把握できるようになります。これに睡眠やストレス指数などの項目も一緒に読み解いていくことで、より科学的に自身の体調管理ができ、ランナーであればトレーニングプログラムの立案や数値を基にプログラムの変更なども行いやすくなりますので、ぜひこの機会に活用してみてください!