フルマラソンで目標を達成する際に重要な「目標設定」と「トレーニング計画の立て方」

フルマラソンは42.195kmと長い距離を走る過酷な競技です。しかし、人生にも例えられるなど、ゴールをして目標を達成した時の達成感は何物にも代えがたく、楽しく走りたい人や記録を狙いたい人など、様々な目的を持ったランナーが出場します。しかし、中には怪我をしたり途中で歩いたりと苦い経験をするランナーも少なくありません。そこで今回は、フルマラソンで目標を達成するために重要な「目標設定」と「トレーニング計画」について書いていきます。

自分のレベルにあった「目標設定」を

「友達と一緒に出場して完走したい」
「少しでも速い記録を出したい」
「サブ4を達成したい」
「サブ3を達成したい」

など、マラソンを走る際の目的・目標は、現状の運動習慣の有無や身体能力、競技レベルなどによって人それぞれです。しかし、これまで全く運動習慣のない人が、1か月後のレースでいきなり日本の競技人口の約20%しか達成していないサブ4(4時間00分切り)を目標に掲げるのは、少し難しいかもしれません。

よって、まずは自分の能力に近い達成可能な小さな目標を立てましょう。それが決まったら、次に将来的に達成したい大きな目標を決めます。まだ明確な目標がないという方は、まずは1年のうち1番の結果を出したいと思う大会をターゲットレースに決めてみましょう。この時、ターゲットレースをより先の時期に設定すればするほど、準備に多くの時間をかける事ができます。可能であれば、ターゲットレース・目標の選定は前年のオフ(マラソン終了時)に行うと良いでしょう。

段階的な目標・指標を設定する

 

ターゲットレースや将来的に達成したい目標が決まったら、実際にプランを立てていきます。まずは、レースまでに残された時間を下記の例のように4つに区切ってみましょう。4つが難しければ1ヶ月目〜3ヶ月目(前期)、6ヶ月目〜(後期)のように2つに区切っても構いません。

【段階的な目標設定の例】
①年間で達成したい目標(ターゲットレース)を設定する(長期)
②1ヶ月目〜3ヶ月目の指標を設定する(短期)
③3ヶ月目〜6ヶ月目の指標を設定する(短中期)
④6ヶ月目〜の指標を設定する(中長期)

もし、1年では達成できないような大きな目標を設定したい場合は、そこに向けての短中期的な指標の期間の幅は、広くなります。反対に、ターゲットレースまでの期間が3ヶ月など短い人の場合は、週ごとなど更に短期の指標を明確に区切り、怪我に十分な注意を払いつつできる範囲でトレーニングを行う必要があります。

ここで出てくる「指標」というのは、到達しておきたい段階ではありますが、達成できなかったからといって、すべての目標を白紙に戻す必要はありません。あくまでも、一つの目安として捉えましょう。しかし、指標と現実があまりにもかけ離れている場合は、年間目標自体に無理がある可能性があるので見直しを含めて再検討されることをおすすめします。
それでは次からは、1年後のレースでサブ4を目標に設定した場合の流れを紹介していきます。

年間で達成したい目標を設定する

フルマラソン4時間00分というのは、1kmあたり5分40秒ペースで42.195kmを走り抜くことを意味しています。実際には、5分40秒ペースに対していかに余裕を持って走れるかが、目標達成の鍵を握るといえるでしょう。また、今回はサブ4達成を目標としてとしてお話をしていますが、サブ4は難しいと思う方や、より上のタイムを狙いたいという方は以下のペースを参考としてください。

【フルマラソンにおけるペースの目安】
フルマラソン4時間30分    1km6分23秒ペース
フルマラソン3時間30分(通称:サブ3.5)1km4分58秒ペース
フルマラソン3時間(通称:サブ3)    1km4分16秒ペース

上記以外に国際ランナー資格(上級者)など、自分の目標タイムがある人は、目標タイムの1kmあたりのペースを計算してみましょう。これは、フルマラソンに限らず、ハーフマラソンや10km、トラックレースにも役立ちます。

短中長期の指標を設定する

目標とするターゲットレースまでの期間にもよりますが、1年後の場合は初めの1ヶ月目〜3ヶ月目を「短期」、3ヶ月目〜6ヶ月目を「短期〜中期」、6ヶ月目以降は「中期〜長期」とします。そして、それぞれの期ごとの指標を設定し、指標を達成するためのトレーニング計画を立てていきます。

【例:サブ4を目標としている場合】
■1ヶ月目〜3ヶ月目の指標(短期):10kmを5分40秒ペースで走れるようになる。
→脚作り。ランニングの頻度を週に2回とし、そのうち1回は15kmを走る。
■3ヶ月目〜6ヶ月目の指標(短中期):20kmを6分23秒ペースで走れるようになる。5kmを30分で走る。
→スピードをつける。ランニング頻度を週に3回とし、3回のうち1回はスピードをつけるために高強度のインターバルトレーニングを取り入れ、もう1回は20kmを走る。スピード強化により、5分40秒で走った時にゆとりを持てるようになる。
■6ヶ月目以降(中長期):30kmを6分23秒ペースで走れるようになる。10kmを1時間で走る。
→6ヶ月目から9ヶ月目はマラソンに向けた体力づくりを行う。ランニング頻度は週に3回のままで月に1回はゆとりのあるペースで20km〜30km。週に1回はスピード持久力を養成するために、5分40秒より速いペースで15kmのペース走。9ヶ月目以降は実践練習として、5分40秒ペースで30km走を取り入れたり、スピード練習も設定ペースを上げて行う。

トレーニング計画を立てる際のポイント
トレーニング計画は、目標を達成するために週・月・3ヶ月・半年など短中長期的に区分けを行い、立てていきます。気をつける点としては、自分の現在のトレーニングの頻度を急に上げるのではなく、徐々にトレーニングの量や質を上げていく事が大切です。もし、ランニングの頻度を上げる事が難しい場合には、無理をせず実施できるトレーニング計画を立てる事を心がけましょう。

トレーニング計画を立てるメリット

①やる事が明確になる
トレーニング計画がなければ、思いつきでの闇雲なトレーニングが多くなりますよね。段階的な目標を設定しておけば、その日はどんなトレーニングをするべきかという迷いを払拭できます。また、現在の行動が大きな目標につながっているというヴィジョンも見えやすいため、モチベーションの維持にも効果的です。

②段階的に能力アップができる
「この期間はスピードを強化しよう」「この期間はスタミナを強化しよう」と、期間によって区分けする事で目的を明確にできます。初めは背伸びせずにできる範囲で走る時間や距離・ペースを設定しそこが達成できたら次はもう少し強度を上げてみるなどの工夫ができるのです。

また、段階的な指標をもとにトレーニングを実施していると、5分40秒前後のペースで走れる距離が次第に長くなり、同じペースで走っていても余裕が生まれてきます。こういった形で段階的に設定を上げていく事で無理なく能力アップを実感することができます。

③トレーニングの振り返りができる
トレーニング計画は立てる事が目的ではなく、あくまでも目標達成のための手段です。トレーニングを行っていくと、「設定していた内容がこなせなかった」、「気持ちが入らずにやらなかった」という事も起きます。

そうなった時にトレーニング計画とにらめっこをするでは、何故そうなったのか原因が分かりません。トレーニング計画を立てるだけでなく、「調子が良かったからペースを上げすぎてしまった」「睡眠不足で体調が良くなく、ゆっくりのジョギングでもきつく感じた」など、トレーニング毎に振り返りも記録しておく事で、何故調子が落ちたのかなどの原因が特定しやすく、改善に役立てる事ができます。

トレーニング計画で重要なのは、振り返りを行う事です。振り返りをして次のトレーニングに生かしてこそ、トレーニング計画を立てる意味があります。

いかがでしたでしょうか?マラソン大会への出場が決まったら、まずは目標を設定してトレーニング計画を立ててみてください!

【サブ3】「PDCAサイクル」がマラソン練習を変える!その実践法を解説

目標に合わせてトレーニング計画の設計からフィードバックまで行うサービス
「オンラインパーソナルトレーニング」