【サブ4】目標達成のために知っておくべき3つのマラソン練習法とは?

フルマラソンで4時間を切る「サブ4」は、マラソン参加者の上位20%程度しか達成しておらず、マラソンランナーとしての1つのステータスと言われています。今回は、このサブ4達成に必要な3つの練習方法をご紹介します。また、マラソンを走る上で知っておきたい大切なこともお話するので、ぜひご覧くださいね。

マラソンを走る上で知っておきたい最も重要な事

フルマラソン参加者の上位20%程度しか達成していないサブ4はどうやったら達成できるのでしょう。

それはズバリ、「1km平均5分40秒ペースで42.195kmを走り続ける」こと!
簡単に言ってしまいましたが、1km5分40秒ペースでフルマラソンを走りきるには、大会前からの計画的なトレーニングが必要となります。

1km5分40秒というペースがきつく感じるようでは、最後まで同じペースで走り切ることが出来ませんし、42kmを走り切る体力がなければ途中で歩いてしまい、1km10分かかったなんてことも。とにかく、サブ4達成にはフルマラソンを歩かずに最後まで1km5分40秒ペースを維持する走力が必要なのです。

「じゃあ、走る距離を増やそう!」

そう思った方、要注意です。もちろん、距離を踏む練習は必要ですが、その前にすべてのランナーがすべき事、それは、「ランニングに必要となる効率的な身体の使い方を身につける」こと。

マラソン中に膝などを怪我して途中で歩いたり、リタイヤする人が多いのは圧倒的に初心者。その理由はフルマラソンを走り切るために必要となる筋肉や効率的な身体の使い方が身についていないからなのです。それを身につけるために必要なのが「目的別のラントレーニング」です。

目的別のラントレーニングとは、

・より速く走るために「スピード」を鍛えるトレーニング(「スピード強化」)
・より長く走るために「スタミナ」を鍛えるトレーニング(「スピード持久力強化」)
・ペースを維持するために「スピード持久力」を鍛えるトレーニング(「スタミナ強化」)

の3つを指し、競技力を上げるには、これら3つをバランスよく強化することが大切なのです。それでは、具体的なトレーニングの内容をみていきましょう。

なぜ1つだけ強化するのは良くないの?
トレーニングには「全面性の原則」があります。これは「スピード」「スピード持久力」「スタミナ」どれか一つだけを鍛えるなど、偏ったトレーニングは怪我や技術レベルの低下に繋がるというもの。例として、週に3日20kmのロングランしか行っていないとしましょう。すると身体は「20km走る事」に慣れてしまい、複数回続けて行う事によって、トレーニング効果が獲得しづらくなってしまうのです。

サブ4達成のための3つのトレーニング

①スピード強化トレーニング

スピードを鍛えるトレーニングの代表的なものにインターバルトレーニングが挙げられます。インターバルトレーニングとは、400mや1000mなどの決められた距離、もしくは1分などの時間を指定して疾走し、休息を挟んでまた疾走することを数回繰り返すトレーニング。疾走時の強度は最大心拍数の約80%以上を目標※とし、休息期には、一定時間ジョギングやウォークで心拍数を落とします。

サブ4を目指す人は、まずは200mや300mという短い距離のダッシュから始め、速いスピードで走る事に慣れてきたら次第に400m・600m・1000mという風に距離を伸ばしていきましょう。距離を測る事が出来ない時は、時間で設定するのも良いでしょう。

インターバルトレーニングを定期的に行う事によって、速いスピードで走る事が出来るようになります。サブ4を目標とした場合、5分40秒のペースに対してゆとりを持って走ることができるようになります。これがスピードを鍛える目的です。

※適正強度は個々の身体能力や運動習慣によっても異なってくるため、あくまで目安としてください。

【やり方を間違えると効果が半減?】インターバルトレーニング実践法

②スピード持久力強化トレーニング

スピード持久力とは、決められたペースを長時間維持し続けられる力のことです。スピード持久力を鍛えるには、まずは最大心拍数の70%〜80%前後の心拍数で6kmや8kmなどの距離を一定のペースで走り切ることを目標にしましょう。

この一定のペースというのは、自分の目指すフルマラソンの記録の1kmあたりの平均タイムよりも速く走る必要があります。もっと詳しく科学的な要素でいうと、LT値(乳酸性作業閾値)付近で走る必要があります。この値は、このペースよりも速く走ると乳酸をエネルギーとして活用する事が出来なくなってくる境界点です。

スピード持久力を強化するということは、このLT値で走れる距離を伸ばす、もしくはLT値の走速度を上げるということを意味しています。サブ4を目指す人は、5分40秒より速いペースで行います。まずはキツくなる後半もペースが落ちない距離から始め、それがクリアできたら徐々に距離を伸ばしていきましょう。

5分35秒で6km、8kmと距離を伸ばし、それができたら次のステップとしてペースを5分30秒に上げてみてください。このように徐々に一定ペースで走れる距離を長くしたり、ペースを少しずつ速くしていけるようにしましょう。

③スタミナ強化トレーニング

スタミナを強化するには、長い距離をある程度のスピードで走る必要があります。この「ある程度」とは個人差がありますが、時期によってペースを分けてみましょう。具体的には20kmや25km・30km。これはフルマラソンを走りきる筋力や心肺機能をつけたり、糖質と脂質などのエネルギーを使うトレーニングとなります。

レースまで期間がある時には、ペースを上げずに脚づくりとして距離を伸ばしてみる。レースが迫ってきた時は、より実戦に近い形でペースを上げて長い距離を走ってみる。こうして時期によって使い分ける事によって同じスタミナ強化のトレーニングでも目的が変わってきます。

また、長い距離のトレーニングやマラソンを走っていると、急にエネルギー切れや脱水を起こして、失速したり歩いてしまったことがありませんか?

摂取したエネルギーの効率の良い使い方や、走っている途中にエネルギー補給をした時の消化吸収などの身体の反応は、レース当日になって急に身につくわけではありません。食生活やレース・トレーニング前の飲食物にもよりますが、日頃からのトレーニングによって走ることに体を慣らしておくことが大切なのです。

先入観を捨ててステップを一つずつクリアしよう

マラソンの走力を伸ばすためには、「スピード」「スピード持久力」「スタミナ」の強化というそれぞれの目的を持ったトレーニングをバランスよく行うことが大切ということをお話ししました。もちろん、この考え方はサブ4以外の目標を目指している方にとっても、(トレーニングの質や量は異なりますが)基本的には変わりません。

まずは、「サブ4のレベルだとこれをやるのはまだ早い」「まずは私は長く走れるようになる事から始めないといけない」こういった事は先入観捨てて練習に取り組んでみましょう。バランスの良いトレーニングを組み立てつつ、日々の練習でトレーニングの質や量をひとつひとつ積み上げることで、着実に「サブ4」が見えてくるのです。

フルマラソンで目標を達成する際に重要な「目標設定」と「トレーニング計画の立て方」

まとめ

いかがでしたでしょうか?
そして、ランニングは無理やり足を動かして走る競技ではありません。まずはランニングに効率良く走り怪我をしない身体を身につけることが大切なのですね。今回の内容はサブ4を目指す人だけでなく、それ以外の目標を持ったランナーにも活用できます。効率的なマラソントレーニングで目標達成を目指しましょう。

 

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