【自己流で大丈夫?】マラソン初級者から上級者まで必要なウォーミングアップ実践法!

みなさんは練習や試合前のウォーミングアップ、どうしていますか?

「いつものルーティーンで行ってはいるけれど、自己流だ」
「面倒でついつい省略してしまう・・・」

そんな方も多いかもしれません。しかし、たかがウォーミングアップ、されどウォーミングアップ。しっかりとウォーミングアップができた場合とそうでない場合では、試合結果にも大きな「差」が出ることがあるのです。
今回は、「どんな目的で、何をやれば良いの?」という声にお応えして、ウォーミングアップの目的と具体的な実践方法について解説します。

ウォーミングアップの目的とは

ウォーミングアップとは、安静状態から体を運動に適応させるための準備のことで、多くの場合、体温(深部体温・筋温)を上げ、次のような効果を得ることを目的としています。

①パフォーマンスの向上

1)パワーの向上
ウォーミングアップによって、体温が上昇すると脳からの司令が筋肉に伝わり、それが実際の動きに反映されるまでの速度が速くなります。その結果、俊敏性や筋出力の向上(パワーの向上)が見込めます。

冬場のマラソンで、スタート直後は動きが硬かったけれど、中盤から体が動いてきた!という経験をしたことはありませんか?

実はこれも、実際に試合を走ることで体が温まってきた証拠。つまり、レース中にウォーミングアップをしている状態です。マラソン全体を通してベストな状態で走るためには、スタート前のウォーミングアップでしっかりと体温を上げておく必要があるのです。

2)エネルギーの節約
しっかりとウォーミングアップを行うと、体の中に取り込むことのできる酸素の量が増加します。すると、より長時間、運動強度を維持するのに適した「酸化系によるエネルギー産生」を優位に働かせることができます。
この「酸化系のエネルギー産生」は体脂肪を利用してエネルギーを生み出す仕組みです。そのため、瞬発力の必要な運動の際に必要となるグリコーゲンの節約となり、マラソン後半の失速を予防することに繋がります。

②怪我の予防

また、ウォーミングアップによって筋肉や関節が温めることで怪我の予防に繋がります。
例えるなら、カップラーメン!カップラーメンに入っている乾麺はお湯を注ぐ前には小さな衝撃で簡単に欠けたり割れたりしますが、お湯を注ぐと柔軟になりますよね(笑)。
筋肉や関節でも同じことが言えます。温めることで、より柔軟な動きが可能になるのです。

③その日の体調を確認できる

レースや練習の前のウォーミングアップは、その日の体調や体の仕上がりを把握する物差しになります。もし、ウォーミングアップ時に「筋肉が張っているな」「疲れがたまって脚の回転が悪いな」などの不調感じたなら、強度の強いメニューを見直したり、動きづくりを取り入れることも考えましょう。

ウォーミングアップで得ることができる様々な効果をお分かりいただけましたか?
それでは次に、具体的にどうやってウォーミングアップをすれば良いのか実践方法を確認していきましょう!

ウォーミングアップの実践方法

ウォーミングアップの方法は、季節やその日の体調によっても異なります。今回は、一般的な例をご紹介しますので、①〜③の順番で実践してみてください。

【一般的なウォーミングアップの例】
①動き作り、体操(10分)
②jog(10~20分)
③ウィンドスプリント(10分)
TOTAL:30~40分程度

①体操・ストレッチ

まずは、体を起こす運動とストレッチで、大きな関節の可動域を広げ、体を柔軟にしましょう。走る上で重要となる上半身と下半身の連動をスムーズにするために、肩甲骨、股関節、臀部(お尻)を中心にストレッチを行います。

【肩甲骨のストレッチ】

<やり方>
脚を肩幅に広げて立ち、指先を肩に乗せ肩を回します(前後10回ずつ程度)。肩甲骨が動いていることを意識しましょう。

【股関節のストレッチ】

<やり方>
まずは脚を前後に開きます。次に、前に出した脚と同じ方の腕を内側からくぐらせ、手のひらを地面につけ、そのまま腰を前後に動かします(10回程度)。

【臀部のストレッチ】

<やり方>
片足立ちになり、片方の膝の上にもう片方の脚を重ねる。その状態で膝をしっかりと曲げながら手で地面をタッチしたら、上体を戻します。この時、立っている方の脚がぐらつかないようにバランスを意識することが大切です(10回程度)。

②JOG

続いて、最大心拍数の70-75%を上限にjogを行います。心拍数を上げ過ぎると疲労する原因となるので、注意しましょう。

③ウィンドスプリント

仕上げはウィンドスプリント。これは100mくらいの距離を全力の7~8割程度のスピードで走ることで、神経系や筋肉に刺激を入れることを目的としています。ランニングフォームの改善にも効果的です。体調に合わせて100mを3~5本程度行うと良いでしょう。

ウォーミングアップを行う時の注意点

①ウォーミングアップの終了時間

ウォーミングアップを行う時間は、レースや練習のスタート時間から逆算しましょう。ウォーミングアップ終了の目安はスタートの10~15分前です。せっかくウォーミングアップをしてもレースまでの待機時間が長すぎると体が冷えて効果が少なくなってしまうこともあるので注意してください。

②レース時のウォーミングアップ

レースによっては、位置取りや整列により、十分なウォーミングアップができないこともあります。そんな時には、体を温めるだけでも効果があるので、ウォーミングアップを早めに終わらせてウェアで保温するなど体を冷やさない工夫をしてください。

③夏場のウォーミングアップ

夏場は気温が高いため、ウォーミングアップのやり過ぎは、体の熱が上がり過ぎて逆効果になる危険性があります。ウェアやJOGの時間を短くするなどして調節しましょう!

今回はオーソドックスな例をご紹介しましたが、動き作りなど、数多くあるため、自分に合ったウォーミングアップを見つけていく事が大切です!

最後に

いかがでしたか?
いつもの練習やレース前にウォーミングアップを取り入れるだけで、パフォーマンスの向上や怪我の予防に繋げることができます。今回はオーソドックスな例をご紹介しましたが、ウォーミングアップにも動き作りなど、数多くの方法があるため、自分に合った方法を見つけていく事が大切です。一回一回の練習を質の高い内容にするためにも、そして練習の成果をレースで最大限発揮するためにも、上手なウォーミングアップ方法を身につけていきましょう!